お礼とご報告 「手話朗読劇公演」終了 | 静岡福祉大学

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お礼とご報告 「手話朗読劇公演」終了

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11月5日(日)に、本学の福祉創造館 第2大講義室で、「手話朗読劇公演 『~ドンが聞こえなかった人々~より 第二章 山﨑榮子さんと生きる』」を開催し、大好評のうちに終了致しました。当日は、多くの皆様にご鑑賞いただきまして、誠に有難うございました。

本公演では、聴覚障がいのある方々がご鑑賞していただけるよう、焼津市と焼津市難聴者・中途失聴者の会にご協力いただき、要約筆記とヒアリングループをご提供致しました。そのため、多くの聴覚障がいのある方が鑑賞され、「要約筆記とヒアリングループがあれば、演劇を鑑賞できるということを実感した」とおっしゃっていました。

手話朗読劇の公演では、手話通訳士で介護福祉士でSign Artistでもある俳優の杉野実奈さんが、長崎県で被爆した聴覚障がいのある山﨑榮子さんの手記を、手話で感情豊かに演じられました。鬼気迫る熱演に、会場で観ていた観客たちは、いつしか引き込まれていきました。

その後、杉野実奈さんから、講演いただきました。杉野実奈さんが以前に勤務していた聴覚障がい者が多く生活している特別養護老人ホームでの様子や、山﨑榮子さんの晩年についてお話くださいました。山﨑榮子さんは昨年1221日に永眠され、自ら語ることはもうできません。

しかし、杉野実奈さんは、「戦争を実際に体験した人たちからお話を聴くことができるのは、いまの私たちが最後の世代かもしれない。だから、私たちがいまのうちにその方々からしっかりと聞いて、次の人たちに語りつないでいかなければならない」と、お話しくださいました。

私たちは当事者ではないため「語り手」にはなれませんが、体験を聴き「語り継ぎ手」にはなれることを教えくださいました。私たちにもできること、やらなければならないことがあることを、杉野実奈さんは気づかせてくださいました。

公演終了後のアンケートには、用紙の裏面までびっしりと思いを書いてあるものもあり、多くの方々がそれぞれの心の中に「大切なもの」を持ち帰られたようでした。

 いまもなお、世界のどこかで戦禍におびえながら生きている人たちがいます。そして、その中には、必ず障がい者もいます。どうかそのようなことも想像していただき、私たちにできることを一緒に考えていきましょう。

(健康福祉学科 木下 寿恵)

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